Monthly Column マンスリーコラム

2024年10月号

「キャリアコンサルティング」に初めて出会うみなさんへ【前編】

気軽に出会ってほしい!「キャリアコンサルティング」のススメ

こんにちは。いわてキャリアコンサルタント研究会の橘 麻衣子です。私はICDSキャリアコンサルタント養成講座を受講して、2年前に国家資格を取得しました。現在は職業訓練校で、職業訓練生のキャリアコンサルティングを担当しています。

養成講座での学びと、キャリアコンサルティングの業務に携わる中で、私は「自分もこんな時キャリアコンサルタントに出会えていたら良かったな」とか、「キャリアコンサルティングをもう少し早く受けていたら、きっともっと早く気づけていただろうな」と思う場面がたくさんありました。

今回は、まだキャリアコンサルティングを体験したことのないみなさんへ、私から「キャリアコンサルティングのススメ」をお伝えしたいと思います。

キャリアコンサルティングって何をするの?

とはいえ、実は私もキャリアコンサルティングを一度受けるまでは、「何をするのだろう」「何を言われるのだろう」「学校の進路指導みたいなことなのかな」と、不安に思うことがありました。でも、実際にキャリアコンサルティングを受けてみると、不安に思うことはありませんでした。

まず第一に、キャリアコンサルティングは、みなさんのお話を「聴く」ことから始まることを知っていただきたいと思います。

キャリアコンサルティングの大きな目標は、労働者、またこれから労働者となろうとする人たちが、自分に合った「キャリア」つまり「職業を含む人生」を、「自発的に」「自らすすんで」考えていくことを支援することです。もっと簡単にまとめると、みなさんがキャリアについて自分で考え、決断していくことを助けるのが、私たちキャリアコンサルタントの役割です。

みなさんと一緒に、みなさんのやりたいことを整理し、そのための方法を検討し、必要な情報を提供します。時には調べる手段を提案したり、行動を妨げている要素の解決方法を考えたりもします。これら一連のことは、相手のお話をしっかり聴かないうちにはできません。それを行わないうちに、一方的に型にはめるような指導を行うことは、キャリアコンサルティングでは行いません。どうぞご安心くださいね。

私たちがしっかりとお話を伺うことで、私たちが何も言わなくても、ご自身で解決法を見つける方がいらっしゃいます。また、ご自分がどうしたかったのかを、いつの間にかお気づきになられる方もいらっしゃいます。

一方で、「話がまとまっていなくて、自分でも何を相談したいのか分からないのだけど」という方もいらっしゃいます。そんな時はお話を伺いながら一緒に整理していきますので、ぜひ恐れずに相談にいらしていただければと思います。

学生の時に出会いたかった「キャリアコンサルティング」

少しだけ、私自身の話をしたいと思います。高校生の時、私は周りの勉強についていくことと、夢を追いかけることに夢中で、「自分が将来どのように働いて、生きていくのか」について、具体的に考えられていませんでした。

進学を決めたものの、その先の進路を考える時も、「なんとなく夢の実現に近そう」というだけの理由で文学部を選ぼうとしていました。「なぜその学部がいいのか。どんな学びが得られ、それが夢を叶えるためにどう役立つのか」を考えることができればよかったのですが、当時はそのように考える力が自分の中に育っていませんでした。

当然ながら、「なんとなく」に説得できるような明確な根拠がないために家族からは反対されましたし、「では、どう考えればいいのか」と導いてくれる人を自分で見つけることもできませんでした。

最終的に、親の勧めもあって、教育学部への進学を選択しました。この結果、大学生活で学んだことは今の自分の基礎となっていますし、たくさんの大切な出会いもありました。今では良い選択だったと思っています。

それでも、もしもこの時、流れに任せずに、「なぜ教育学部に進むのか。そこで何を得て、どんなキャリアを進んでいくつもりなのか」と自分で考える時間をきちんと持つことができていたら、その後の大学生活での、そして就職での大きな挫折を経験せずに済んだのではないか、と思うのです。

自分で自分のキャリアを考えることの大切さ

大学進学に伴って、文系や理系、学部や専攻、専門などを選択することで、卒業後の進路はある程度狭まってくるといえます。極端な例ですが、大学の文学部へと進んだ方がその後医師になろうと考えたら、多くの時間と費用、そしてエネルギーが必要になるかもしれません。おそらく、大きな方向転換となりますね。

もちろん、こういった方向転換が悪いわけではありません。しかし、それが私の例のように、「進路選択前にしっかり考えていれば、しなくていい方向転換だった」となれば、すでに費やしてしまったものを惜しむ気持ちも生まれるでしょう。あるいは、様々な事情から、望む道を改めて選び直すことができず、大きな後悔となることもあるかもしれません。

このような理由からも、進学に際しては、特にも重大な決断の前に一旦立ち止まり、「自分で自分のキャリアを考える」時間を持つのがとても大切だと私は思います。

私が学生だった頃は、まだキャリアコンサルティングの仕組みは一般的ではなかったと思いますが、当時の私も「自分で自分のキャリアを考える」ためにこの仕組みを利用できたらよかったと、今つくづく思います。

現在は学校でのキャリア教育も充実してきており、本当に喜ばしいことです。それでも、なりたいものが決まっていなかったり、どんな職業生活や人生を送りたいかが具体的になっていなかったりして、自分ひとりでは十分に進路を検討するのは難しいと思っている方も、中にはいるかもしれません。

そんな方は、キャリアコンサルティングを利用してみるのはいかがでしょうか? ご家族や学校の先生が教えてくれるあなたのキャリアだけではなく、あなたが「自分で、自分のキャリアを考える」ことを、キャリアコンサルティングがきっと助けてくれると思います。

あなたにもぜひ、気軽にキャリアコンサルティングに出会ってほしいと思っています。

次回は【後編】『キャリアコンサルティングで、自分の知らない自分を知る』

私が日々のキャリアコンサルティングで感じていることをお伝えします。お楽しみに!

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橘麻衣子

ご家族やご近所さんのように気軽に話せる、『キャリアのおとなりさん』を目指して、キャリアコンサルティングにあたっています。
資格:国家資格キャリアコンサルタント